オンライン授業でも注目!知っておきたい「著作権」とは?
IT推進部コンテンツ企画チームの安達です。当社では、大学や学習塾のための入試過去問題配布やWeb掲載、また、テキストや模擬試験作成で必要となる著作権の許諾申請を行っております。最近よくニュースでも著作権を取り上げられることになったことで、「著作権処理代行業務」についての問い合わせを当社に多くいただいています。今回は著作権法の複製と同一性保持権の観点から、当社の業務内容を紹介いたします。
1.身近で複雑な著作権法
みなさんは日々、書類をコピーしたり、パソコンにデータを保存したりすると思いますが、この行為は著作権法でいうところの「複製」にあたります。法律において定義されているということは、うっかりすると法に触れてしまう可能性がある!ということ。あれ、昨日新聞記事をコピーしたけど、これって何か問題あったかな?
たとえば権利者に許可なく、映画や音楽をクラウド上に保存したり公開したりするのは違法ですよね。映画館で本編上映前に流れる「十年以下の懲役もしくは一千万円以下の罰金またはその両方を課せられる」というやつです。また、意外なところでは授業や講義の内容をノートに記録することも実は「複製」なのです。でもこの場合は、個人で使用する分には権利の侵害にはあたりません。結構複雑な話ですね。私たちは日々だれかの著作物に触れ、利用しています。著作権法でいう著作者は、プロ・アマを問わず、子供・大人も問いません。だれもが著作権者になるわけです。その権利を保護し、文化の発展に寄与することが著作権法の目的なので、我々利用者はどんな行為が権利の侵害となるのかを見極める必要があるのです。
このブログの読者は教育関係の方も多いと思いますが、オンライン授業での著作物の複製はどうでしょうか。以前は、学校の授業(実際の教室)での利用とは異なり、オンライン授業での著作物の複製には著作権者の許諾が必要でしたが、2018年の法改正(著作権法第35条)により補償金を支払うことで無許諾での複製が可能となりました。かつ、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業の実施が余儀なくされたことから、2020年度は特例で「授業目的公衆送信補償金制度」は無償で使用できました。2021年度からは特例はなくなり補償金の支払いが必要となっています。
このように、身近な存在でありながらきちんと判断しようとすると複雑なのが著作権です。最新の制度改正情報の把握、許諾の必要性の見極めはたいへんな作業です。当社では、早稲田大学をはじめとするさまざまな大学の過去問題公開に関する許諾申請、学習塾のテキスト・模擬試験作成における許諾申請を行っていますが、担当者のみなさんは最初のご相談時には口をそろえて「何からどう手を付けていいのかわからない」「どの部分に著作権の申請が必要か。どこまでが必要なのか」とおっしゃいます。そして今後さらにオンライン授業が増加するとなれば、担当者のご負担やいかに!
2.専門知識と忍耐力が必要とされる著作権許諾業務
そんなときに頼ってほしいのが著作権許諾業務を行う会社です。当社では、著作物1件ずつについて著作権保護期間内なのかどうかの確認を行い、著作者・著作権者様から同意書をご提出いただきます。著作権使用料の支払いも代行し、面倒な海外への送金も含めて当社が一手にお引き受けいたします。
また、著作権業務は案件ごとの進捗管理が重要です。ご担当者様とは進捗状況の管理表によって、お客様にとって必要な情報が共有できるようにしています。管理方法や許諾を取る際に必要な申請書もお客様のニーズに合わせてカスタマイズいたします。
加えて当社では、出典の調査も実施しています。これはどういうことかというと、複製された著作物と元の著作物とで違いがないかの確認です。問題文を作る際に、問題作成者が元の著作物を改変している場合があります。作成者にしてみれば仕方ない改変でも、著作者から見ると同一性保持権の侵害に当たります。それについての説明もなく同意書を送り付けても到底理解を得ることはできません。問題文が原文と相違ないかどうかをまず確認し、相違がある場合は真摯にご説明することが確実な許諾につながります。
このため、当社では該当の1ページを確認するために、複数の図書館を巡って(カードケースは公共図書館のカードでパンパンです!)書籍を探し当て、さらにその中から使用された部分を見つけ出すという作業を行っています。過去に、出版社の方から次のお言葉をいただきました。「作家は一言を表現するのに命を削り、言葉を紡ぎ、絞り出している」。当社は、著作者の思いを損なうことなく、かつ利用者が安心して著作物を利用できるように最大限の努力をしてまいります。
(進捗管理一覧)
(同意書)
3.担当者の思い
著作権の業務では、許諾を取った著作物が公開された後の反応が分からないことも多いです。また、著作者からなかなか返事をいただけず、不安になることもあります。だからこそ、著作者様からこころよく許諾のお返事をいただいたときは嬉しいですし、ご依頼の担当者様から感謝の言葉を頂戴したときは大きな励みになります。
今年も春の入学シーズンを迎え、多くの新入生が笑顔で大学に来ていますが、私たちが許諾を取った過去問が合格の手助けに少しでもなっていたなら嬉しい限りです。
著作権の処理につきまして疑問がございましたら、ご遠慮なく弊社のコンテンツ企画チームにお問い合わせください。ご連絡をお待ちしております。
関連サイト:
・権利者は人力で探します! 入試過去問題の著作権処理
・大学入試の過去問をインターネットで公開しましょう! ~著作権処理業務
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