「高等教育政策と課題をわかりやすく紐解く」を開催しました
■実施内容
2018年7月10日、大学職員の方を対象に
QuonAcademyセミナー「高等教育政策と課題をわかりやすく紐解く」を開催いたしました。
日々の忙しい業務の中で、大学を取り巻く環境の動きや、高等教育政策などのより視座の高い情報を得る機会はなかなか無いのではと考え、初めて企画・開催のセミナーです。
早い段階から興味・関心をいただき、当日は満席となりました。
当日の講師は早稲田大学教育・総合科学学術院の吉田文教授が担当されました。
セミナーの中では、日本の大学の歴史から、大学設置基準大綱化以降の高等教育政策について解説し、日本の私学の今後について考えていくといった内容を扱いました。
まず、日本の大学の歴史として、官立大学と私立大学それぞれの嚆矢を
解説しました。
ステータスの高い官立大学はどこだったのか、私立についてはどのような経営状況であったかなどに触れてわかりやすく解説し、その後、私学の地位がなぜ確立し、どのように拡大していったか、丁寧に見ていきました。
次に、大学設置基準大綱化以降の高等教育政策のパートに入りました。
高等教育システムの構造変化といった、いくつかのターニング・ポイントがあり、大学審議会の役割の変化などの背景を受けて、改革がどのように進められていったかを学びました。
改革の対象として、組織、教育課程、教授・学習過程、評価をそれぞれ取り上げ解説した後、
「教教分離をするメリットは何か?デメリットはあるか?」
「自大学において、ガバナンス改革のメリットは何か?デメリットはあるか?」
などの問いを受けながら、学びを深めていきました。
最後に、日本の私学の今後を概観しました。
少子化・地域バランスの問題を、データを見ながら考え、解決策やその実現の見込みについて議論しました。
そして社会人の再学習を推進するための魅力的な教育プログラムについても考えていきました。
また、日本と問題を共有する地域として、韓国と台湾を紹介しました。
紐解きの解説だけではなく、それをどう見るか、自大学では何を考えなくてはならないかといった議論の時間を何度も設け、受講者同士で学びを深めていく時間となりました。
様々な気づきや発見があったという感想をいただきましたので、それらを今後に活かしていただければ幸いです。
受講された皆様、お疲れさまでした!
【受講者の声】
・答えがないことを私たち自身が考えていくきっかけとなったため、どう学内で展開するかを考えていきたい。
・業務遂行にあたりベースとなる部分を聞き、常に根幹に立ち返って取り組むことが重要であると改めて認識できた。
・大学を取り巻く歴史、今後の方向性を学べました。また、自身の知識を再確認できた点もあるので、自身を持って臨みたいです。
・高等教育政策の変遷から今後の動向について考え、大学を取り巻く状況の変化に取り残されることのないようにしたい。